2回目の新年を迎えて

◆2回目の新年を迎えて

建築基本法制定準備会会長 神田順

準備会を立ち上げてから、1年4ヶ月を経過し、その間、建築の理念、関係者の責務、そしてそれらをどのように表現するか、議論をしてまいりました。昨年は、4月の総会に引き続き、6月は主に建築物単体のあり方について、11月には群としての建築のあり方についてパネル討論会を開催、有効な議論が展開できたと考えております。

今年こそは、それらの議論を基本法へ向けてどのように実りある物にしていくかが問われています。建築が良くなることで、まちがよくなり、生活が豊かになることを期待するわけですが、本会のきっかけは、混乱した膨大な建築関連の法体系が技術を歪めている現状をなんとか正常な方向へ向けたいという思いからです。初志を活性化して会員の一層の力強い声になることを期待します。

一方、建築学会でも法律への対応をより積極的に捉えて行こうという動きは、建築雑誌に見られるように、議論の輪を広げてきています。既存ストックへの対応や地球環境への姿勢は建築基準法の出来た1950 年代には存在しなかった視点です。法律にも理念が求められています。また、昨年12 月に施行された景観法も行政のあり方に大きな方向転換を迫っています。2004 年12 月22 日読売新聞夕刊の西村幸夫氏の「望ましい建物 地域で合意を」
は、まさに建築基本法によって、建築の形態にかかわる規制は国が一律に決める時代でないことを述べよ、と呼びかけているように理解されます。まだまだ山が動いた状況とは言えませんが、建築基本法を大きな変革へのステップとする意義は準備会周辺でも認識されつつあるといえるのではないでしょうか。専門家の責務のみならず、建築主の責務も同時に国民レベルで論じて欲しいと考えます。

建築学会をはじめ多くの建築関連団体にあっても、構成する個人個人が声を上げ、法体系のあり方を見直す中から、まず理念と責務のあり方を建築基本法という形で議論を整理して行く年にして、願わくば国会内に動きの生まれることを目標に据えたいと思う次第です。

2 月10 日にはシンポジウムも予定されております。活発な議論が建築基本法へ展開することを願って、新年の挨拶とします。

(2005 年1 月)